
存在感ある女性ヴォーカルがフロントの北海道・札幌のProtessとUSテキサス・オースチンのSignal Lostによるスプリット7"EP。本作はまた「絶妙な組み合わせ」となった傑作と言えよう。まずProtessは、高知のDan-Doh RecordsよりリリースされたV.A - "Terro-Rhythm #3"の参加から3年ぶりとなる作品。ニュー・ギタリスト加入後新体制となっての初音源。今年で彼らは結成10周年となるそうだ。当時はUnhingedといったヨーロッパのいわゆる「エモクラスト」と呼ばれる系統のサウンドと比較されもしたが、その頃から独自のProtess節はあった。本作はProtess節を再確認できるものであり、彼らはそれをより追求し完成させていた。勢いのある激しいハードコア、豊かなメロディ、そして練りに練られた長い構成により形づくられる今のProtess節は、まさにその証しと言っていい。"英断の扉" (The Door)、"冷たく包む時を歩め" (I'll Walk On Time Alone) の全2曲。方や、Signal Lostも聞くのを非常に楽しみにしていた。USのPrank Recordsからリリースされた1stアルバム"Children Of The Wasteland"から大ファンだったからだ。大ファンだった理由は彼らがまた素晴らしいポリティカル・パンク/ハードコア・バンドだからである。サーフ/ガレージ、77'sパンクロック、UKアナーコ/ピースパンク、80'sニューウェーブらにヒントを得たその唯一無比のメロディック・ポリティカル・パンク/ハードコアはとにかく「生」そのものだ。歌詞も言わずもがなである。とりわけ本作に収録されているものについて言えば、「自由」や「夢」が決して「イメージ」でないことに気づかされる。そしてこう問うてくる。それらは闘わずして得られるものじゃないのではないか。ゆえに、既に在るものとして私たちに「安全」を与えるそれらと闘えと。なぜなら「この動物は忘れられ、虐待され、遠吠えする」 (- Freedom Cage) を常に繰り返しているからだ。本作には2ndアルバム"Prosthetic Screams"と同じライン上にある全2曲を収録。フランスのStonehengeの反セクシズム・コンピにも参加している。H.G.FactとPrank協同によるグレート・リリース。
[歌詞紹介]
SIGNAL LOST - Freedom Cage (自由の檻)
非常に長い間閉じ込められた
この動物は忘れられ、虐待され、遠吠えする
ささやかな金と楽園の血をえさにして
落ち着かず夜に逃れる
パニックに陥る必要もなく、めざましの必要もなく
家の心地よさから遠くにさまよわない
両手が広がる安全なところにいつも戻ってくる
私たちの檻はずっと開いている
いったいどうして外の世界に行くのだろうか?
Release date: 2008
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