スウェーデン・カールスタード出身の新鋭クラスト・ハードコア "Socialstyrelsen" の2020年リリース1st LPのCDバージョン。
今年始めにリリースされたばかりの2nd LP "I Krossade Speglars Skärvor" の共同リリースには、Acclaim Collectiveも参加しているので、彼らを知ってくれた人も日本でも少なくないと思う。私自身は、この1st LPで彼らを初めて知り、共同リリースにスウェディッシュ・アナ―コクラスト "Protestera" のヴォーカル/ギタリスト "Johan" 運営のDIYパンク・レーベル "Flyktsoda Records" が参加していたということもあり、気になっていた。そのような経緯で、2nd LPの共同リリースに誘われ、参加したというわけである。
・SOCIALSTYRELSEN - I Krossade Speglars Skärvor LP (ACM035)
https://acclaim-collective.com/items/61fbb61add8d393a6eb3515b
いわゆる「ネオクラスト」にも分類されてもおかしくない叙情性もあるスウェディッシュ・ハードコアだが、本作にはボーナス・トラックとして、Totalitärのカバーも収録されているとおり、80's スウェーデンのオールドスクール的な部分も多分にある。現行のバンドということで、過去のバンドをただなぞったサウンドではなく、例えば同じスウェーデン出身のM:40のような現代的な要素が強い。けっこう「エモティブ・ハードコア」のようなサウンドが好きな人もイケるかしれない。しかし、嫌みな感じにはならず、双方をうまくミックスした「伝統的」とも言える基本ブルータルなスウェディッシュ・ハードコアがかっこいい。
フロントには、女性の "Hanna" というヴォーカリストが立つ。絶叫と言っていい唄法でひたすら叫び続ける印象だが、勢いにまかせるのではなく、曲調にも対応する。この辺は、比較される同地の女性ヴォーカルのアナ―コクラスト "Protestera" や "Massmord" の表現力と通じている。
ボーナス・トラックとして、前述したTotalitärのカバー、そしてライブ・トラック追加の全26曲収録。
[Kazu / Acclaim]
Release date: 2022