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STAND STILL - The Tide CD [Review By Acclaim Collective]

STAND STILL - The Tide CD

スペインはバルセロナ出身のStand Stillの1998年リリース・1stアルバム。スペインというと、母国語で捲したてる荒々しいバンド―あるいは黒旗を掲げるような社会闘争に直結するアナキスト・バンドを連想する人も多いだろう。しかしこのバンドはそんなイメージを感じさせない。ジャケットもアーティスティック―「Stand Still」(立ち止まる)という内省的なバンド名からもそれは明らかだ。ここまで説明すれば、パンク/ハードコアのマッチョな側面に魅了される人々からは「軟弱」に捉えられてしまうかもしれない。とはいえ、そのようなイメージとは裏腹に「真逆」に位置している。

結論から言えば、Stand Stillのサウンドは悲壮感が全編を覆うダークなメタリック・エモーショナル・ハードコアである。しかしながら、とにかく激しく、凄まじい怒りに満ちている。感情のみに突っ走らない冷静な表現力もある。

歌詞もサウンドの説明と併用してもいい。彼らは資本主義を外在的なものとして断絶せず、それ自体が自らに同化していることを絶えず対峙させている。「本当の敵は誰なのか?」―資本主義が私たちに架空の「敵」を対峙させることで潤うシステムであることは、本作2曲目の「Circle」(サークル)において、的確に言い表されている。資本主義の競争原理とは、「体制側」であれ、「反体制側」であれ、私たちの「欲望」をまだ見ぬ他者に責任転換をさせて、互いに「戦争」に導くことだ。彼らは言う―「闘うっていうのは憎しみじゃない。たんに理解しないことを示すだけだ」―私は気が楽になった。

Stand Still - Circle(サークル)

社会の過ちはこの正気じゃない競争に課された心理に基づいてる。
でも、俺たちは何をする?
俺たちは変化することができるんじゃないか。
俺たちは変化することができ、何が間違っているのかも知っている。
お前を責めるのは誰なんだ?
罪はないっていうのか?
お前の革命なんか信じない。
お前の憎しみなんか信じない。
今、俺たちの意向は闘うための潜在能力や俺たちが自由に振り回すことができる武器を手にすることなんだ。
本当の敵は誰なんだ?
撃たないでくれ、お前を責めるのは誰なんだ?
罪はないのか?
教育がカギなんだ。
俺たちの手に流れる血で勝利を得ることはない。
お前がまさにそれに賛成するなら、こんなサイクルは永遠に終わらない。
闘うっていうのは憎しみじゃない。
たんに理解しないこと示すだけだ。

Released by B-Core Disc (1998)

Review by Kazu / Acclaim (2020/11/14)